魚介の旨味がこれでもか、ってほど凝縮された濃厚なスープを飲んだことありますか?南仏はマルセイユの料理「ブイヤベース」で有名な「スープ・ド・ポワソン (soup de poissons)」は、数種類の白身魚とトマトなどを長時間煮込んで作られます。手間暇はかかりますが、驚くほど濃厚なスープができます。出来上がったスープをそのまま飲むも良し、パスタのソースとして使うも良し!使い方は人それぞれ!
鯛のアラを使って濃厚スープを作れ!
新鮮な鯛のアラが手に入ったので、今回は鯛のスープドポワソンを作ります。
難易度・調理時間
難易度:★★
調理時間:3時間
材料(スープ1杯分)
- 白身魚:1匹分、アラでもOK(今回は鯛のアラを使います)
- にんにく:2かけ
- オリーブオイル:大さじ2
- 香味野菜:にんじん1/2本、たまねぎ1/2個、ねぎ15cm、セロリ15cm
- トマト:3個(トマト缶1でもOK)
- ハーブ:ローリエ(3枚)、エルブ・ド・プロヴァンス(大さじ1)、ブーケガルニ(生 or 1パック)
- 白ワイン:300ml
- 水:1L
作り方・レシピ
(1) 香味野菜を炒める
にんにくを細かく刻んでオリーブオイルと共にフライパンに入れ、弱火にかけます。にんにくの香りをオリーブオイルにじっくり移します。
にんにくの色が変わってきたら、細かく刻んだ香味野菜を加えて弱火のまま炒めます。塩(分量外)を加えても良いです。
フランス料理の技法でsuer(スェ)と言います。汗をかくという意味で、文字通り、食材に汗をかかせるように、しんなりとするまで弱火で炒める料理法のことです。
ほとんど混ぜる必要はありませんが、時々混ぜましょう。30分はかかるので、火をかけながら次へ進めます。
(2) 魚の下処理(霜降り)
香味野菜をスェしている間に、魚(鯛)の下処理をします。鯛のアラに塩をまぶし(分量外)、水分をキッチンペーパーでふき取ります。水を大きめの鍋に張り、沸騰したら鯛を入れます。1~2分経ったらざるに上げ、水でしっかり冷やします。冷えたら水から上げて水分をふき取ります。
(3) 炒める
香味野菜がしんなりして火が通ったら、そこに霜降りした鯛を加えます。少しだけ火を強め(弱火~中火の間)にして鯛と香味野菜を絡めつつ鯛に火を通します。
鯛がしんなりしてきたら、ドバドバ白ワインを加えて10分程煮込みます。
トマト(我が家では定番のトマトソース)を加えます。最後にハーブを加えて30分~40分程、弱火~中火の間の火加減で煮込みます。あまりグツグツさせずに煮込みましょう。
40分後の状態です。途中、アクが出ても取らないでください。このアクは旨味です。
(4) ガシガシ旨味を濾しましょう
今日一番の力仕事の出番です。フライパンの中身を全て濾してスープだけを取り出します。このとき、アラ・香味野菜をガシガシ潰してスープ(汁)を一滴残らず取り出します。10分はガシガシしてしっかりスープを取り出しましょう。
ざるの隙間から野菜がはみ出てます。がんばった証拠ですね。スープはフライパンに戻し、5~10分程煮詰めてます。
さらに網の細かいざるにスープを通し、しっかりと濾します。このときもガシガシ潰して汁気をしっかりと抽出します。これを合計3回繰り返します。スープだけをしっかりと濾すことで、口当たりなめらかなスープとなります。
(5) 仕上げ
フライパンにスープを入れて、塩気が足りなければ塩を加えて調整します。
魚と野菜の旨味が凝縮されているので、塩を加えることはないと思います。
これで完成です。
できあがり
かなり深いフライパンを使いましたが、出来上がったスープは1杯分です。ですが、かなり旨味が凝縮されたスープです。写真では分かりにくいのですが、ドロドロです。
もちろんスープとして頂くも良しですが、このスープをパスタのソースとして使います。こうご期待!
注意
今回は、鯛を使ったスープドポワソンでしたが、白身魚ならヒラメ、カサゴも使えます。
ただし、イワシやサバなどの青身魚、カツオやマグロなどの赤身魚は使わないで下さい。どうしても魚の味がシャープに残って美味しく仕上がらないです。
スープドポワソンを使った料理
このスープを惜しみなくスパゲッティ(パスタ)のソースとして使いました。濃厚なスープがスパゲッティにしっかりと絡んで食べ応え抜群です。スープを絡めるだけなので簡単に作れますよ。
似た作り方で、カレー・シチュー・グラタン・ポトフなどに使える万能ダシの作り方はこちら。